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するめ

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祖父の教え

遺言って、死ぬ間際の言葉とは限らないと思うんですよ。
育つ過程で、共に過ごす過程で、何か残してくれるものがあるはず。


◎ 本は手元にないとだめだ。


私が小学校6年生の頃に祖父から言われた言葉です。
当時読書熱があがり、子供向けの、いわゆる「少年少女文学全集」のようなものは卒業して大人向けの本へ移行しようとしている時です。
「罪と罰」を読んだ(当然意味なんぞわかっちゃいません。読んだだけ)、と話す私に祖父が
「トルストイなら『白痴』は?スタンダールはまだか。次には何を読む?」のような内容の会話があったと記憶しています。
その時に「図書館でこれこれこういうのを借りようと思ってる」と答えた私に祖父が言いました。「図書館?!」

「本は手元におかないとだめだよ」

本でも音楽(当時はレコード)でも、手元において繰り返し何度も咀嚼しないと味わえないよ。
そうしないと本当の教養として身につかないよ。
借り物で得たものは借り物でしかない。



とは言え全部買ってたらお金が続きませんから、お金のない若い頃は図書館から借りまくって読みました。
でも借りるものは「話題になっているからおさえておこうかな」程度のものや、「買うまでもない」と判断した軽いものに限定しました。

今でもこの教えは守っています。
自分のものにするには対価を支払うこと。これだけは。



ただ、元々クリスマスプレゼントはいつも本だったのですが、
この図書館発言以降、お年玉まで図書券に変わってしまったのはありがたいやらつまんないやらでした・・・・・・
by machonatu | 2012-04-16 17:58 | はみだし